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353話

その強大な妖修が去った後、空には次々と流れる光が走り、それらはすべて大修士たちで、風のように疾く天柱山へと急いでいた。

一方、実力は劣るが欲深い低級修行者たちも、漁夫の利を得ようと我先にと殺到していた。空一面に無数の光が飛び交い、様々な人影が閃き、天を覆い尽くすほどで、白昼でありながら夜のような様相を呈していた。

結丹期という低レベルの修行者たちさえも、血走った目で我を忘れて突進していった。何とかして一杯掬おうと、天の恵みにあやかろうと、自分の運を試そうとしていたのだ。

今回の神器の動静はあまりにも大きく、有史以来、上三天でさえこのような事態は起きたことがなかった。しかも、これは天地の宝...