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305話

蜿蜒と曲がりくねった回廊を抜け、水辺の亭台を通り過ぎると、賀新華とエイヴリル、そして盧氏女の三人は詩画のような場所に足を踏み入れた。

「ここは月影閣でございます。夜になれば頭上に揺らめく月の影を眺めることができます。二層構造になっており、下の階は客人をもてなす場、上の階は修練や天地の感悟を得る場となっております。屋根は紅玉を使って鉄流宗の鍛造の名人に依頼し、琉璃で作らせたもので、透明度が非常に高く、まるで屋根がないかのようです。

谷を挟んだ向かい側は摘星楼、こちらも同じく二層構造になっております。以前から虚空師伯祖の洞府であり、今もそのままです。師祖様がご希望でしたら、空を飛んで渡るか、谷間...