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24話

彼に必要なのは、体力を温存し、気分を整え、一生に一度の驚天動地のラブシーンを演じることだけだった。残念ながら、ヒロインは絶頂を迎えることができず、仮に迎えたとしても、自分でそれを自覚することはないだろう。

この静養室は確かに異常なほど静かで、しかも周囲から見守られている状態だった。良く言えば看護、悪く言えば監視だ。周四爺は心中苦々しく思いながら、自分の積んだ悪行が多すぎて、最終的にその報いが息子や嫁、そして孫娘にまで及んだのではないかと推測していた。息子夫婦が惨死し、孫娘がこのような惨事に見舞われたのだから。そして厳守に対する憎しみは骨の髄まで達していた。あの野心満々の畜生め、手段を選ばず、...