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162話

「今となっては、興華警備会社は終わりだ。俺の総経理の地位も水の泡だ。李全というあの殺人鬼も死んだ、誰かに切り捨てられたんだ。俺にそんな相手が務まるわけがない。

この書類で金を脅し取る方が確実だな!ふふん、お前らは立派な格好して、インタビュー受けてりゃ清廉潔白だと思ってるだろうが、俺がこれを持ってる限り、お前らなんて糞の塊だ。俺みたいな首切り役人よりマシじゃねぇよ!

少なくとも俺の方がお前らより堂々としてる……おい、誰だ?お、お前はどうやって入ってきた?いつ入ってきたんだ?まさか、お前か?あの扉、お前が開けたのか?」

分厚い書類の束を抱えて独り言を呟いていた男は、薄暗い密室に突然現れた二つ目の...