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52話

「彼に会いに行ってもいいかと聞いたのですが、おじいさんは何も答えず、結局父が私たちを連れて行ったんです。そこでリンリンが住んでいる部屋では、彼女が薬物中毒の発作を起こしているようで、縛られていながらも身をよじって掻きむしっていました。見ていて胸が痛くなるような光景でした。私はもっと心が痛みました。リンリンは以前はなんて美しい少女だったことか。今ではすっかり痩せ細り、私たちを見た時、もし縛られていなかったら、きっと私たちに飛びかかっていたでしょう」

「お兄ちゃん!」

「お兄ちゃんよね!」

「助けて、お兄ちゃん、私のこと一番可愛がってくれたよね?お兄ちゃん、もう少しだけちょうだい、ほんの少しでい...