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4話

担任教師のオフィスに着いた。

オフィスには彼女一人だけで、私が入るなり座るよう促された。こんなに近くで担任と接するのは初めてだ。彼女はやはり足を組んでいて、その長い脚は本当に白かった。まだ学期が始まったばかりの九月で、そんなに寒くない。担任の脚は豊かでありながらも決して太すぎることのない、黒いストッキングに包まれた美脚で、思わず触れてみたくなるほどだった。

彼女からは良い香りがした。一嗅いだだけで高級だとわかる香水の香り。

俺は不良気味ではあるが、女性関係に関しては完全な初心者だ。担任から漂う大人の女性の香りに、顔が赤くなり、手の置き場に困ってしまった。

「昨日のことは先生の冗談だったから、気にしないでね」

担任は私の落ち着かない様子を見て、くすりと笑った。

これを言われるとかえって気まずくなる。慌てて首を振り、「曾先生、大丈夫です。気にしてませんから」と答えた。

大学では本当に大したことではない。俺は一人前の男だし、担任が謝ってくれたのだから、もう何も言うことはない。

「張峰と喧嘩するつもりだって聞いたけど?」

担任の眉がしかめられた。

やっぱりそのことか。誰がこの話を広めたのかわからないが、おそらく張峰だろう。彼は学内でも横暴で、不良の気質が強い。誰かが彼に挑戦しようものなら、必ず叩きのめさないと気が済まない。今回も俺が少し目立ったから、わざと噂を流して、自分がどれだけ強いか見せつけようとしているんだろう。

まさか担任までこのことを知っているとは。

この大学はかなりレベルが低く、校風も良くない。学内での恋愛はもちろん、廊下でのキスや、大学の近くで部屋を借りて同棲することさえ誰も咎めない。しかし喧嘩に関しては厳しく取り締まっている。二年前に喧嘩が原因で二度も命が失われたと聞いて以来、学校は喧嘩を最重要の取締対象にしているのだ。

担任に尋ねられ、「ありません。向こうから仕掛けてきただけです」と答えた。

担任は綺麗な眉を寄せ、「なぜ学校に相談しなかったの?警備課が対応してくれるのに」と言った。

面子を重んじる性格の俺は、「こんな小さなことで学校に頼るなんて。それに、あいつは俺に勝てませんよ」と返した。

担任は急に怒り出した。「本当に彼と喧嘩するつもり?言っておくけど、喧嘩は退学処分になるわよ!」

「張峰はいつも喧嘩してるのに、退学になってませんよね?」と俺。

担任は怒りを露わにした。「他の人のことは知らないわ。あなたは私のクラスの学生だから、私が責任を持つの!」

実は俺も知っている。張峰は学校幹部の甥で、だから学内でどれだけ横暴に振る舞っても誰も手出しできないのだ。

俺は黙った。

担任は激怒した。「張揚、そんな態度なら今すぐあなたを退学させるわよ。面倒事を起こされる前にね!」

この言葉を聞いて、俺は心底腹が立った。自分の将来に傷がつくのを恐れて、先に俺を退学させようというのか。どれだけ冷酷なんだ?担任を見つめ、強い口調で言った。「なぜそんなに俺を狙い撃ちにするんですか?張峰が俺に殴られるのが怖いんですか?まさか彼の叔父さんと親しいとか?」

「あ、あなた...何を言ってるの?」

担任の顔色が一変し、立ち上がって震える指で俺を指さした。平手打ちを食らわせたいという表情だった。

学内ではこんな噂が流れていた。担任の曾楠は張峰の叔父のおかげで、卒業してすぐに担任になれただけでなく、職員寮まで与えられたと。今の俺は怒りに任せてそれを口にしたが、担任の反応を見ると、この噂は本当かもしれない。

こんなに美しい女性がそんなことをしているなんて。俺の心の中で彼女への軽蔑がさらに強まった。

斜めに彼女を見て、「俺が何を言ったか、あなたはわかってるでしょう。このことはあなたが心配することじゃない。失礼します」と言った。

「そこに立ちなさい!」

担任が叫んだが、俺は無視して背を向けた。

「覚えておきなさい。絶対にあなたを退学させてやるから!」

担任は本を投げつけてきた。

俺の心は煩わしさでいっぱいだった。

本当に何てくだらないことだ。

たかがラブレターがこんなに面倒なことを引き起こすなんて。部屋に戻って渣毛を一睨みした後、机に突っ伏して寝始めた。

すると間もなく、渣毛がおずおずと俺を突いてきた。

「うせろ!」

頭も上げずに罵った。

「揚兄、秦薇薇からだよ...」

渣毛は小声で言い、俺の腕の間に紙切れを落とした。

目を開けると、一瞬呆然とした。

秦薇薇?

クラスの花が俺に手紙をよこした?

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