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280話

子犬と猛虎が対峙したら、どんな結末になるのだろうか?

この本来ならただのエンターテインメント性の高い挑戦試合が、一瞬で人々の注目の的となった。試合会場内だけでなく、体育館の外で既に帰ろうとしていた人々も、この状況に気づいて足を止め、様子を見始めた。

闇の中で。

武器を握りしめた大狗子と、既に戦いの準備を整えていた仲間たちも、夜空に浮かぶ巨大なLEDスクリーンに映し出された映像を目にした。

「うわ...」

「辞樹か?」

「いや、マジで...辞樹、こう見るとカッコいいじゃねぇか...」

「はははは...」

緊張していた空気が、リングに立つ辞樹の姿に一気に和らいだ。大狗子も思わず笑みを漏ら...