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275話

紅楼の中。

その時、宋煙語は一人窓辺に座っていた。彼女は相変わらず白い衣装を身に纏い、その姿は孤独で冷ややかに見えた。目の前のお茶はすでに冷め、彼女の澄んだ瞳は外を見つめたまま、何を考えているのかわからなかった。

時折、眉間に人の心を痛めるような複雑な表情が浮かぶが、すぐに消えてしまう。彼女の横顔はこの世で最も完璧な曲線を描いていた。彼女の顎、彼女の瞳、彼女の頬、彼女の唇、魅力的でないところなど一つもなかった。まさに天が与えた類稀な美女だった。

国を傾ける美女と言っても過言ではない。

このような女性は、世の災いとなるか、あるいは万人の寵愛を一身に集め、人生を謳歌するかのどちらかだろう。

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