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23話

大狗子という人はとても頭がいい。普段はおおらかで気さくで、友達に対して腹黒さがない。だから高校の頃、俺たち二人の仲は悪くなかった。彼は渣毛のことも知っているが、渣毛のビビリな性格を見下している。渣毛は彼のこの発言を聞いて、「俺も不思議だよ、どうして凌風が来たんだろうね」と言った。

俺が凌風がどうしたのか尋ねると、渣毛は隣のテーブルにいる辞樹の方をちらりと見た。その意図は明らかだった。

辞樹は俯いたまま、まるで俺たちの会話が聞こえていないふりをしていた。

大狗子が「お前、寮長のこと知らないのか?」と言うので、俺は「普段あまり接点がなくて」と答えた。彼は「お前、マジでやべえな。あいつ、ただ者...