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195話

「もっといい場所があるのに、なんで早く言わなかったんだよ!」

私は辞樹を睨みつけた。

辞樹は軽くため息をつき、笑いながら言った。「たぶんここは売りに出してないと思ってね」

「どこだよ?」

私が尋ねると、外に出てから辞樹はある方向を指さした。ここよりもさらに南東の場所だ。確かにもっと辺鄙だが、周囲の環境はとても良い。ここは開発されたばかりのショッピングセンターで、一目見ただけであちらの建物群は建てられたばかりのようだった。だが今、辞樹が指しているのは、隣の建物ではなかった!

なんと小さな空き地だったのだ!

「つまり君は…」

私は思わず息を飲んだ。

辞樹は目を輝かせながら言った。「楊兄、こここそが...