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153話

曾楠は突然危険を察知した。長年の職業的勘が、瞬時に彼女に警告を発していた。この二人の警官には何か問題がある。具体的に何がおかしいのか見当はつかないが、どこか違和感を覚えた。そのため彼女は意図的に足取りを遅くした。二人の男は曾楠と業務の引き継ぎをするふりをしていたが、その足取りはやけに遅く、まるで曾楠が近づくのを待っているようだった。

曾楠は意識的に一歩後ろに位置取り、そっと腰のホルスターに手を伸ばした。

案の定。

二人の男が車の前に来たとき、突然振り返り、同時に手には鉈が現れ、凶悪な形相で曾楠に向かって振り下ろした。

「曾隊長、危ない!」

曾楠の後ろにいた二人の警官が顔色を変え、叫び...