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806話

今では二狗子も蒋国忠の信頼を得るために動いていた。

もしこの件をうまくやり遂げれば、今後、蒋国忠の前で高峰と同じような地位にまで上り詰められるかもしれない。

だから黙々と仕事に取り掛かるしかない。二狗子が出てくると、若い男が一人駆け寄ってきて尋ねた。

「狗兄貴、蒋さんは何て言ってたんすか?」

この二狗子に媚びを売るような男は阿新という。

以前は別の兄貴分の下で働いていたが、蒋国忠が二狗子の配下を増やすために阿新を二狗子に回したのだ。

阿新は以前の兄貴分の下では、出世したくてもできないタイプだったが、二狗子の下に来てからは一気に右腕となった。

二狗子は阿新を一瞥して言った。「行くぞ、黒虎の店を見...