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749話

「これは古びたディーゼル貨物船だな。乗り込むとグラグラ揺れる」

二狗子は自分と一緒に乗り込んできた七、八人に目をやった。みんな自分と同じように大柄で、何かやばそうな雰囲気を漂わせている。

「峰兄貴、みんな揃いましたけど、出発しますか?」船を操る若い男が言った。

峰兄貴はその男に頷き、すぐに船は国境の外へ向けて出航した。船内には寝床や食料も用意されていた。

二狗子は誰一人として知り合いがおらず、ただ船首に立っているしかなかった。

そのとき、身長190センチ近い大男が近づいてきて挨拶をした。「兄弟、見ない顔だな?新人か?」

「ああ!兄貴、この船がどこに連れて行くか知ってるか?」二狗子は...