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717話

「だがな、そう言っている時に牢獄の外で誰かが咳をしたんだ。」

看守長がやって来たようで、孫小萌は外に人がいることに気づくと闫辰とそれ以上のことはできなくなった。だが立ち上がる時、彼女は意味深な表情で闫辰にキスをした。

闫辰はただ「小萌、必ず自分を大切にしてくれよ」としか言えなかった。

「うん」孫小萌は素直に頷き、すぐに服を整えて外へ向かった。しかし、その瞳には名残惜しさが溢れていた。

どんなに名残惜しくても、どうすることもできない。彼らはやはり別れなければならないのだから。

闫辰も辛かったが、最後はこうするしかなかった。彼は愛情たっぷりの眼差しで孫小萌を牢獄の外まで見送った。だが、事...