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710話

「俺を踏み台にしようってか?なめてんのか?いいぜ、無駄話はやめだ。本気なら今日、蛇兄貴をぶっ倒してみろよ」

蛇兄貴は周于峰の言葉の裏に、自分を利用して地位を上げようとする魂胆を感じ取った。

現在の周于峰は濱海ではまだ無名同然だが、今日蛇兄貴に勝てば、蛇兄貴たちと対等に渡り合えることになる。

蛇兄貴は彼にとって一世代上の存在だ。

小高と肩を並べる立場にまでなれるかもしれない。そんな周于峰に自分が侮辱されるのを許すはずがない。そう言いながら、彼は手下たちに全員で掛かるよう合図した。

一方、周于峰の標的はただ一つ、蛇兄貴だけだった。

一旦手が出ると、両グループは入り乱れ、通り全体が叫び声で溢れか...