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566話

でも彼女にはできなかった。自分の夫のものでさえ口にしたことがなかったのだから。

ましてや夫以外の男性となれば、なおさらだ。それなのに、閻辰のものは、彼女の胸を高鳴らせた。

そして自分がこうも受け身な状態で、閻辰を引き止めるために、彼女は突然頭を下げ、閻辰のものを咥えた。

「ッ……」

閻辰のものが劉萍の唇と舌に包まれ、彼は息を呑んだ。

今はもう彼が望むか望まないかという問題ではなく、劉萍が本当に欲しているのだ。今や劉萍はあらゆる手段を使って閻辰と一度関係を持とうとしていた。

そして閻辰も時に心の柔らかい男だった。

彼には分かっていた。さっき劉萍が自分に助けを求めた時、すでに懇願するような眼差しを...