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483話

今は夜の十時だった。好楽迪(カラオケ店)は大盛況で、個室もフロアも踊る人々で溢れかえっていた。

周于峰は二階の廊下に立ち、フロアで踊る人々を眺めていたが、気分は乗らなかった。

彼はまだ呉馳のことを考えていた。そんな時、肩を誰かに叩かれ、振り向くと小穎だった。

小穎を見た周于峰は少し不思議に思い、尋ねた。

「穎ちゃん、今日は仕事じゃないのか?」

「みたいね。麗姉さんにもう上がっていいって言われたの」

小穎は周于峰の後ろに立って答えた。周于峰には信じられなかった。まだ十時だというのに、客が一番多い時間なのに、どうして彼女が上がれるのだろう?

しかし小穎の言っていることは事実だった。

彼女は...