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168話

「いいえ、お礼なんて。当然のことです」

林鋒は後頭部を撫でながら、特に実直で朴訥そうに見えた。だが、この男の本性を知る私だけは林鋒の外見に騙されなかった。林鋒はにやにや笑いながら、周りのお客さんたちは私と林鋒を褒め称えていた。私もちょっと恥ずかしくなってきた。この雰囲気だと、知らない人が見たら、私と林鋒が銀河系を救ったとでも思うだろう。

「若いの、さっきのは見事だったよ。そういう精神を持ち続けなさい。国の未来がお前たちのような若者に託されるなら、前途は明るいものだ」

林鋒が周囲の称賛を浴びている間に、私は直接焼肉店を後にした。私がその場にいないことに気づいた林鋒も、すぐに追いかけてきた。今...