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116話

私が目を覚ますと、いつの間にかベッドに横になっていて、夢潔が隣に寝ていた。

「ごめんなさい、私…わざとじゃないの。気づいたら眠ってしまって」

私は慌てて、鯉の滝登りのように一気にベッドから身を起こした。

そう言いながら、頭の中で昨夜の細部を急いで思い出していた。

バー、夢潔、ホテル…脳内に様々な断片が素早く浮かんでは消えていく。自分の服がきちんと着たままであることから、昨夜彼女との間に何も起きなかったことが分かり、やっと安堵のため息をついた。

よかった!よかった!今でさえ状況は十分に複雑なのに、もし夢潔と何かあったりしたら、もう言い訳のしようがなくなるところだった…

夢潔は私のそんな緊張した様...