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111話

「保証書の脅しがあれば、華風は当然息をするのも怖くなって、すぐに手際よくマー林の会社を潰す件の手配を始め、さらに三日とおかず進捗を私に報告してきた。

クズを潰すには、やはりクズの手を借りるべきだ。同じ下水道の生き物同士、臭いが通じ合う。華風は自然とマー林をどう潰せばいいか心得ていた。私はまだ見習い芸能人で、いわば半ば公人でもあるため、表立って動くのは良くない。華風に処理させる方が、むしろ手段も効率も上だった。

この件を華風に任せてからというもの、私は毎日会社の仕事以外の時間は、酒を飲んだり女遊びをしたりと、しばらくの間気楽な日々を過ごし、華風に最新の進展を尋ねることもすっかり忘れていた。

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