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37話

白杖を持ってその部屋から出てくると、趙姉さんはすでにデスクの前に座り、パソコンの画面に見入っていた。何か仕事に忙しそうな様子だったが、私が出てくるのを見るとすぐに声をかけた。

「青檸(チンニン)」

青檸はまるで専属の小間使いのように、すぐに外から入ってきた。

「彼を送ってあげて」趙姉さんは青檸に言った。

青檸は私をちらりと見て、顔にはまだ疑いの色が残っているようだったが、結局は近づいてきて、私の腕を取って外へ案内した。

外に出ると、青檸はすぐに私の方を向いて尋ねた。

「中で何か嫌な思いしなかった?」

私は軽く首を振って答えた。

「嫌な思いなんて、するわけないだろ。そんな簡単に不愉快な思いする...