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962話

「世間というのはこんなものさ。永遠の友人なんていない、あるのは永遠の利益だけだ。背後から刺したり、裏切ったりする奴らは少なくない」

二つの悪の間では、軽い方を取るしかない。

唐軍は形勢が不利だと見るや、発財の側にくっついて叫びながら、この機に乗じて逃げようとした。

しかし今日はまさに彼を探しに来たのだから、当然そう簡単に逃がすわけにはいかない。袁思博が命令するまでもなく、後ろにいた二人が手を伸ばして唐軍を引き離した。

「離せ!何するつもりだ?」唐軍はもがいたが、良い暮らしに慣れきった彼がこういう連中に勝てるはずもない。

前回袁思博を訪ねた時も、五、六人がかりでようやく彼を押さえつけら...