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946話

「一応、同じ機関部門でも、この玄関は明らかに他のところほど風格も格式もないな」

外で楊楽霆に電話をかけると、すぐに繋がった。

少し意外だった。李美婷は電話に出ないと言っていたから、電源を切っているのかと思っていたのに、そうではなかった。わざわざ車で来て、出なければ中に入って探すつもりだったのに。

もしかして李美婷の電話だけを拒否しているのか。そうだとしたら、事態はかなり深刻だ。

普段あまり口数が少なく、何事も譲歩する人ほど、一度怒り出すと、普通の人よりも頑固になるものだ。

「何の用だ?」電話から楊楽霆の声が聞こえたが、口調がどこか普段と違っていた。

私の胸がドキリとした。やはり李美婷の件で結論...