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869話

食卓につく前、私はちょっと迷った。謝民さんに上座をすすめるべきか、それとも陸雲に上座を勧めるべきか。

謝民は陸雲に上座を勧め、黄兵も同意したが、陸雲はどうしても辞退した。

結局、そんなに形式にこだわらず、年齢順でいこうということになった。やはり謝民は私たちより一回り以上年上なのだから。

長引くことなく、謝民はにこにこしながら「それではお言葉に甘えて」と上座に着いた。

陸雲の態度は、まるで観光気分か生活体験をしているかのようで、目の前のすべてに無関心という印象を受けた。彼の心は官界になく、野心もないように見える。

おそらく彼にとっては、着実に進めば将来はすでに見えているのだろうと推測した。

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