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826話

「よくやるじゃないか、一歩引いて二歩進む作戦か。駆け引きが上手いな」

私はその流れに乗って言った。「いいよ!承認する」

本来は単なる探りだったが、私の返答に唐軍は驚いた様子だ。おそらく彼の予想を完全に裏切ったのだろう。電話越しに「え?何だって?」と驚きの声を上げた。

「辞職を認めるって言ったんだ。明日にでも手続きに来ればいい」私は確認するように言った。

「どういう意味だ?」唐軍の口調はさっきのような余裕がなくなり、少し慌てた様子で言った。

「君の選択を尊重しているだけだよ!」私は意図的にそう言った。

「あのいくつかの路線の観光客の対応を引き継ぐ人を見つけて、問題を解決したからって、大したことだ...