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746話

入ってきた時はみんな笑顔で話していたのに、テーブルの上の食事を見た途端、全員の顔色が変わった。

心の準備をしていたつもりだったが、それを目の当たりにすると私も食欲がなくなってしまった。

会社に着いた日に、なぜあんな人たちが訪ねてきたのか、今ならちょっと理解できる。テーブルには小さな鉢に少し黄ばんだご飯、何だか判別できない青菜が二皿、それに酸菜が一皿置かれているだけだった。

ガイドは一行を食堂に案内すると、すぐに隅のテーブルへ行ってしまった。遠目に見ると、そのテーブルには肉料理が三、四品に加えてスープまであるようだ。

私が口を開く前に、不満を抱えた観光客たちがガイドに詰め寄り始めた。ガイドは「こ...