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717話

「あれこれ頑張ったのに、つれない態度をされるだけか。もういい、黙って運転するさ」

車が街中に入る頃には、もう十一時近くになっていた。道端は派手な明かりで彩られているが、行き交う人影はずいぶん少なくなっていた。

まだ歩いている人といえば、ほとんどが寄り添うカップルか、酒を飲んで夜食を食べた後、家路につく人たちだ。

ある交差点に差し掛かった時、姜思思が突然口を開いた。

「前の道端に停めて」

「何するんだ?」

やっと話しかけてくれたことに少し嬉しさを覚えたが、何を言っているのか全く理解できず、疑問を投げかけた。

姜思思は私をちらりと見たが、説明はしなかった。

背筋がぞっとした。この女、刑事...