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683話

その日の午後、仕事中の私に耀からの電話がかかってきた。外で席を予約したから、今夜は外で食事をしようと言うのだ。

少し不思議に思ったが、ここ数日の耀の様子がすぐれなかったこともあり、気晴らしがしたいのか、あるいは単に酔いたいだけなのかもしれないと思い、深く尋ねずに承諾した。

その日、仕事を終えると、元々約束していた親友との買い物を断った。彼女の文句をすべて笑顔で受け止めた。

私の中で、耀が一番大切な存在だ。彼のためなら、何でも価値があると思っている。

急いで家に帰り、念入りに身支度を整えた。

耀が家に戻り私を見た時の、あの夢中になったような眼差しに満足感を覚えた。でも彼の表情には、何か...