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609話

心の奥底から不安が再び湧き上がり、ここで人体実験でもやっているのではないかと思った。

心配ではあったが、一度入ったからには夢潔を信じることに決めた。

それに今となっては、逃げようと思っても機会はもうないだろう。

看護師の後に続いて、部屋へと向かう。

この瞬間になってようやく、羅姉さんの私を見る目がやや柔らかくなったが、彼女は何も言わず、別の部屋へと向かって行った。

心は疑問でいっぱいだったが、前を行く看護師は案内することだけに集中し、会話をする気配はまったくなかったので、黙って後をついていくしかなかった。

半分だけ仕切られた小部屋に着くと、看護師は立ち止まって言った。「中に入って服を脱いでくだ...