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568話

婆さんは私がまだ幼い頃に亡くなったので、顔立ちはもう覚えていない。

でも、小さい頃、家で牛を飼っていて、ある時に牛に草を投げていたら、牛の角に打たれて地面に倒れ、婆さんが杵を持って牛を追い払い、私を牛の角から救い出してくれたことは覚えている。

あまりにも怖かったせいか、ショックだったせいか、二、三歳の時のことなのに、今でもはっきりと記憶に残っている。

出棺の日は小雨が降っていて、皆がとても悲しそうに泣いていたことも覚えている。おじいさんの記憶はたくさんあって、表情は厳しそうに見えたけれど、少しも怖くなかった。

父が私を叱ろうとするといつもおじいさんに叱られていた。七、八歳になっても、おじいさん...