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333話

円卓には六人が座っていた。

社長もその中にいて、他に二人は年次集会で顔を見たことがある気がする、確か株主だったはず。

残りの二人は見知らぬ顔で、おそらく今回の提携先か何かだろう。

「あなたが王耀さんですね!こちらへ、どうぞ」たどたどしい中国語が響いた。

話していたのは会社の社長、イギリス人で、本名はホームズ、自分で中国名を付けて霍思博と名乗っている。

中国語はまあまあだが、外国人の中ではABC音が強く、何とか筋が通っているという程度で、聞き取れはする。

もう六十代半ばで、頭は半分ほど禿げている。

彼を見るたびに思うのだが、世の中には発毛効果があるという製品がたくさんあるのに、彼はお金に困ってい...