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308話

「その優しく狭い空間は、本来滑らかで温かいはずなのに、今はその中に冷たさと、まるで全身を焼き尽くすような灼熱感が混在していた。

それは赤ワインと氷の感覚だろう。高純度の赤ワインと冷たい氷が生み出す化学反応が、肌を通して敏感な神経を刺激していた。

私の逞しさの上にはビリビリとした痺れるような痒みが走り、まるで何百万匹もの蟻が這い回っているかのようだった。

それでいて、この感覚は私の耐えられない限界には達していなかった。

痒みと痛みの間の絶妙なバランスポイントに留まり、やめられないほどの快感を与えてくる。

今の私はただ突進したいだけだった。本能のままに無限に突き進み、この抑えきれない快感に抗おうと...