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173話

「部屋に入ってから、楊楽霆も私と同じくらい緊張していて、顔を赤らめていたの。それを見て、ちょっとドキドキしたし、不思議にも思った。お互い暗黙の了解で、あの件については話さなかった。ただ窓辺に座って、夜景を眺めながら、おしゃべりしてコーヒーを飲んだだけ」彼女は口元に微かな笑みを浮かべながら続けた。「お茶屋で美婷姉さんが彼は能力があるって言ってたけど、半信半疑だったの。でも話してみると、本当に考えのある、才能のある人だった。私がずっと理解できなかったことを、彼はすっきりと説明してくれたの」

才能あふれる男性が、女性に与える影響の大きさは確かなものだ。彼女の言葉が心からのものだと分かるのは、今でも...