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1514話

彼女の身に纏う見慣れた香水の香りを嗅ぐのは、まさに拷問だった。衝動を抑えるのに必死で、彼女が帰った後、何度も下腹部が膨らんでしまうことがあった。

そのせいで彼女を外に連れ出す勇気など全くなかった。小さな接待なら彼女だけを行かせ、大きな接待なら私一人で行く。どうしようもない時だけ彼女を連れていった。

だが認めざるを得ない。こんな女性が側にいると、仕事がずっと楽になる。酒席で、ちょっと酒を勧め、少し褒め言葉を並べるだけで、相手はすっかり夢中になり、何事も「問題ない」と頷くのだ。

この期間を過ごすうちに、むしろ彼女がいないと落ち着かない自分に気づいた。

この感覚が危険だとわかっていても、手放...