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1324話

気持ちを立て直し、ある食堂を通りかかった時に足を止め、いくつか料理を注文して、店員に全部包んでもらった。

冷馨の家に戻る。出かける時に、こっそり彼女の鍵を持ち出しておいた。

そっと扉を開けて中に入ると、彼女はまだ目覚めていなかった。本当に疲れていたのか、寝たままピクリとも動いていない。

ベッドに近づき、眉間にしわを寄せ、苦々しい表情で眠る彼女を見て、切なさと愛おしさが入り混じった苦笑いがこぼれた。

思わず手を伸ばし、その寄った眉を撫でようとする。指先が触れると、その繊細な感触に、彼女は何かを感じたのか、きゅっと結んだ唇が少し動き、小さな鼻声を漏らした。

徐々に彼女の眉間のしわが和らい...