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1207話

「何度も聞いたけど、彼女が最後に返した言葉はただ一つ。あなたが元気ならそれでいい、と」

その時の私の気持ちは複雑で、何を言えばいいのか分からなかった。

女がどう思おうと、男というものは家の大黒柱として立ち、そばにいる女性を幸せにするべきだ。それが男の務めなのだから。

食事を終えて、片付けを手伝おうとしたが、今日の妻は珍しく頑として許さず、仕方なくソファに追いやられた。

彼女が忙しく立ち回った後にやってくると、私は思わず彼女を腕の中に引き寄せた。ただ抱きしめて、髪の香りを嗅ぎ、温もりを感じていたかった。

今日の彼女はいつになく素直で、普段のように意地悪く反抗してくることもない。

しばらく抱き...