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1198話

家に入ると、彼女の人格はともかく、部屋のインテリアはなかなか良かった。彼女の家に足を踏み入れると、まるで赤い夢工場に迷い込んだかのようだった。あちこちの棚やソファには、様々なぬいぐるみやキャラクターグッズが飾られていた。

こんな女性がこういったものを好むなんて、少し信じがたかった。彼女の気質からすれば、部屋中に鞭や縄、教本のようなものが並んでいてもおかしくないはずなのに。

しかし、すぐにぬいぐるみへの関心は薄れた。というのも、数足の男性用革靴と、正面の壁に飾られた芸術的なウェディングフォトに目が奪われたからだ。

写真の男性はとても端正で、目鼻立ちのはっきりした好青年だった。

「果物が食...