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119話

私と妻は呆然とした状態で、群衆に囲まれて家の中へと導かれた。

大勢の女性に囲まれる感覚は悪くないのだが、今の私は頭が朦朧として、何が何だか分からない状態で、とても冷静に楽しむ余裕などなかった。

家に入ってみると、大広間は一新されていた。以前は酒や食べ物を置いていた長テーブルが両側に分けられ、赤い絨毯の先には、金ピカに輝く二つの堂々とした椅子が置かれていた。

私と妻は信じられない思いで、彼らがどこからこんなものを調達してきたのか見当もつかなかった。

抵抗する術もなく、私たちはその豪華な椅子へと押し上げられた。妻を横目で見ると、彼女も困惑の表情を浮かべていた。

ただ、頬は赤く染まり、まるで潤いを与...