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1123話

「すぐに一つ目の山を越えると、呉鵬は汗だくになって、もう無理だ、休みたいと連呼していた。

一同は顔を見合わせ、頷いて同意した。

私は周囲の環境を確認し、二つの山の間にある小川へと彼らを案内した。

そこには川床があり、岩が水で綺麗に洗われ、地面も平らで休憩に適していた。

川床の高台に差し掛かった時、楊志が突然手を伸ばし、私を引き止めた。

不思議に思っていると、彼は川岸の遠くにある草むらの方を示した。私がその方向を見ると、水を飲んでいる頭が見えた。

すぐにノロジカだと分かった。この生き物は山にも多く生息しており、小型の鹿の一種だ。

かなり賢いようで、体を草むらに隠し、気をつけていないと見えないほど...