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62話

「天琅君と竹枝郎は足首から頭頂まで凍りついていた。黒気に包まれた二体の氷像が中央に佇んでいる。洛冰河が殿内に足を踏み入れると、寒々しい白い氷気が彼の黒い靴から這い上がってきたが、容赦なく踏み砕かれた。彼はその二つの氷像に向かって一掌ずつ打ち込むと、硬い氷の表面に蜿蜒とした亀裂が走った。

沈清秋は石壁に半ば寄りかかり、言った。「無駄だよ。すでに形成された晶氷はそう簡単には砕けない。それにそんな打ち方では中にいる彼らを傷つけることもできないだろう。むしろこの機会に、彼らが封じられている間に聖陵から逃げ出した方がいい」

洛冰河は急に振り返り、彼の方へ歩み寄ってきた。

洛冰河を見た途端、沈清秋は...