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98話

目を覚ますと、家から持ってきたものの一度も使わなかった簡易ベッドで寝ていた。ロスは大の字になってソファで寝息を立てている。リビングにも寝室にも彭宇の姿はなく、おそらくホテルで母親に会いに行ったのだろう。

頭をさすりながら起き上がったが、昨夜どう過ごしたのか思い出せない。記憶は長江大橋での出来事で止まっており、それ以降は完全に記憶が飛んでいる。

頭を振ると、喉が渇いていることに気づいた。テーブルの水差しを手に取り、二杯立て続けに飲んでようやく少し楽になった。足を伸ばしてロスを蹴り起こし、自分は洗面所へ向かった。昨夜何をしていたのか分からないが、全身が酸っぱい臭いで死にそうだった。

シャワー...