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174話

母の監視がついたせいで、今回のお見合いをうまくやり過ごすのはさらに難しくなった。翌朝、早くから母に布団から引きずり出され、一分間に八回も急かされながら洗顔を済ませ、朝食を食べ、そして家の外へ押し出された。

玄関に立ち、母がドアをバタンと閉める音を聞きながら、私は呆然としていた。まだ八時ちょっと過ぎだというのに、会社勤めの人たちでさえこんなに早くは出かけない。どこに行けばいいのか、しばらく考えても思いつかなかった。

ため息をつきながら、マンションを出て歩き始めた。来るものは拒まず、首を出そうが引っ込めようが斬られるものは斬られるという心持ちで、ショッピングモールへ向かった。

少しずつ気持ち...