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884話

その手のひらから心の中の弾力と温もりが少しずつ離れていくのを感じ、私の胸には何故か不意に寂しさが広がった。

しかし不思議なことに、林思思は私の手の動きに気づいていないようで、立ち止まると体を向け直し、瞳には何の変化も見せなかった。

ただくすくすと笑いながら言った。「確かにその考えは悪くなかったわね。でも、もしあの時私が了承していたら、今頃後悔していたかもしれないわ。でもあなたは最初から最後まで何も言わなかったじゃない」

林思思がそう笑うと、白いシャツに包まれた双丘が抑えきれずに揺れ、私の目の前で波のように揺れ動いた。

その美しい光景に見とれていると、林思思は私の視線など気にする様子もな...