Read with BonusRead with Bonus

478話

「目新しさを求めただけさ。」しかし、その時、ゆっくりと重々しい声が突然響いた。「これは私が貰おう。一万五千だ。」白い服を着た青年が両手を背中で組み、傲然とした態度で入口からゆったりと歩み入ってきた。

侵略的な笑みを浮かべるその姿は、先日の夜に私を待ち伏せていた秦晓だった。秦晓のこの一言で店主はその場で固まってしまった。何年も誰も見向きもしなかったこの品が、今日になって急に人気者になるとは。しかも一度に二人も現れ、値段は一人が一人より高く、一千五百から一万五千へと、なんと十倍にも跳ね上がったのだ。

「ふむ」私は眉をわずかに寄せ、何か様子がおかしいと感じた。昨夜のあの灰色の服の男の印象があまり...