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400話

しかし私たちが予想もしなかったのは、その男が実は家庭のある人だったということだ。ある行事で暁嵐と出会い、二人は徐々に親しくなっていった。その男は自分が既婚者であることを隠したまま、私たちの顧客サービス担当の暁嵐と同居するようになった。

しかも仕事にも行かず、暁嵐の給料で生活していた。さらには時折不正な考えを吹き込み、暁嵐に会社の物を持ち出して売るよう仕向けていた。暁嵐も男の甘い言葉に耐えられず、宅配便の荷物に手を出そうと考え始めた。システムで荷物の価値を調べた後、その宅配便を手に入れる方法を考えたのだ。

そこで男と相談し、二人で受取人の電話番号を複製し、配達場所で待ち構え、私たちの配達員が...