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36話

趙謙は三十代前半で、とても気さくな人で、誰に対しても丁寧に接し、普段から私との関係も悪くなかった。私が来るとすぐに、趙謙はタバコを差し出してきた。「昨日はありがとう」「いいよ」私は笑いながら言った。「同僚同士だからね」

その言葉が終わらないうちに、楊易がまた話を継いだ。「そうだ、君たちは同僚だし、家族みたいなものだ。お互い助け合うのは当然のことだ。

結局、こんな大きな会社は社長一人で回せるものじゃない。彼はただ我々の親のような存在で、具体的な業務は皆の力を合わせてこそ成し遂げられるんだ」

楊易がまた長々と話し始めそうな雰囲気を感じ、私と趙謙は顔を見合わせた。「楊リーダー、先に中に入って仕...