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997話

姜虎はすでに東山県で長い間待ち構えていた。それはただ陸塵が現れるのを待つためだった。

「お前は何者だ?」陸塵が尋ねた。

姜虎は傲然と言い放った。「武盟洪城分会戦堂の堂主、姜虎だ。このわしが直々にお前を拿捕しに来たんだ。光栄に思うがいい」

「私を拿捕する?」

陸塵はクスリと笑った。「本当に自分のやっていることが誰にもバレていないとでも思っているのか?」

姜虎はすぐに眉をひそめた。目の前の若者には何か不気味なところがある。だがどこがおかしいのか、はっきりとは言えなかった。

「武盟が南境でどれほど超然とした存在か、わざわざ説明するまでもあるまい。お前がこの南境にいる限り、武盟に逆らったり...