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949話

彼は慌てて数人の言い争いを遮り、正々堂々と言った。「皆さん、男子たるもの、志は四方にあり、国に尽くすべきもの。儿女情長のことは今は考えておりません」

一度言葉を切り、彼は空を仰ぎ、豪気溢れる様子で続けた。「男児、風雲の志を展さざれば、天授の八尺の躯を空しく負うのみ!」

この言葉が出るや、争いの声は突然止み、皆が彼に一層満足の目を向けた。

墨家が百年も栄えてきたというのには根拠がある。墨のご老人には三人の息子がいたが、長男と次男は娘しか生まれず、三男はまだ結婚もしていない。男の子がいないのだ。今や老人は九十歳、あと十年もすれば後継者なしで衰退の一途を辿るだろう。

だからこそ、優秀な男子は何...