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607話

陸塵の手は思わず鄭玉玉の服の中に伸び、鄭玉玉もその愛撫に情欲を高まらせていた。

二人は今にも火花が散りそうな緊張感の中、天と地が呼応するかのような情熱に包まれ、キッチンでそのまま激しく交わりそうな勢いだった。

しかし陸塵は突然、遠くから近づいてくる足音を耳にした。

彼は慌てて鄭玉玉から手を離した。「誰か来るよ」

鄭玉玉も慌てて口元の涎を拭い、服を整えた。ただ、その綺麗な顔に浮かぶ二筋の紅潮が、彼女をより一層妖艶に魅力的に見せていた。

陸塵が野菜を洗い、鄭玉玉は鍋に油を熱し始めた。

次の瞬間、何春花がキッチンの入り口に現れ、高圧的な態度で言い放った。「何をもたもたしてるの?まだ料理も始めてないな...