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598話

「肖冰は説明した。「高校卒業後、彼は軍隊に入ったんだ。数年間兵士として過ごして戻ってきたけど、特に何もできなくて、警備員になるしかなかったんだよ」

三、五キロの道のりを、肖冰は丸々二十分もかけて運転した。

高級マンションに到着すると、予想通り、これも中達不動産が開発した物件だった。

体格のいい、威厳のある青年が門の前の円形の警備室に背筋をピンと伸ばして立っており、なかなか堂々とした様子だった。

陸塵は肖冰の方を振り向いて一瞥した。「先に行かないで。俺が先に君のお兄さんをからかってみるよ」

「意地悪なんだから」肖冰は可愛らしく不満を漏らした。

陸塵は車から降りてマンションの入口へ向か...